スカッシュコート完全ガイド

スカッシュコートは勝敗を分ける重要な舞台。公式規格サイズや壁・床の素材、ラインの意味、適切な設置環境から日々のメンテナンス方法まで、コートを選ぶ・維持する上で絶対に押さえたいポイントをわかりやすく解説します。

コートの構造と公式サイズについて

スカッシュコートの公式なサイズは、シングルス用として縦9.75メートル、横6.4メートルであり、四方が壁に囲まれています。前壁にはサービスライン（高さ1.78メートル）およびティックライン（0.48メートル）が設置され、後壁にはアウトラインが存在します。ダブルス用のコートでは、幅が7.62メートルに拡張されることが特徴です。

壁と床の素材選定

前壁、両サイド、後壁には、跳ね返りを安定させるためにコンクリート塗装または強化ガラスパネルが使用されることが一般的です。床材は、衝撃吸収とスライド性能を兼ね備えたハードウッド（オークやメイプル）が主流であり、素材によってボールのバウンドやプレーヤーの足元のグリップ感が異なるため、プレースタイルに合ったものを選択することが重要です。

ラインとマーキングの重要性

サービスボックス、センターライン、アウトライン、ティックラインの5種類のラインは、すべてラリーの判定基準となります。これらのラインは幅約5センチメートルで、白または黄色に塗装され、視認性が高まっています。サーブ時の立ち位置や返球可能エリアを明確に示し、正確なプレーを促進します。ラインが摩耗すると判定トラブルが生じるため、定期的な再塗装が求められます。

コート設置に必要な環境条件

理想的なスカッシュコートは、天井高が5.64メートル以上の屋内空間に設けられます。温度は18～22度、湿度は40～60％を保つことで、ボールの弾みが安定します。直射日光や強風は避け、照明は均一な照度で500ルクス以上を確保しましょう。また、防音や空気循環設備を整備し、快適で安全なプレー環境を実現することが重要です。

日常的なメンテナンスと長寿命化のポイント

プレー後は床面をモップで拭き取り、汗や埃を取り除くことが大切です。月に1回、ワックスをかけて軽く研磨し、滑り止め効果と防傷効果を維持します。壁面については、衝撃による塗装の剥がれを早急に修正し、定期的にひび割れやガラスパネルの緩みを点検することが必要です。また、空調フィルターや照明器具の清掃も欠かさないようにしましょう。

まとめ

スカッシュコートは、サイズや素材、ライン、環境管理、さらにはメンテナンスが一体となってプレーの品質に影響を与えます。本ガイドを参考にして、理想的なコート選びと日々のケアを行い、安全で爽快なスカッシュライフを楽しんでいただければ幸いです。